【愛知県】三名将のDNAを受け継ぐ負けず嫌いの県民性がモノづくりの原点を極め日本をリードする!
愛知県と言えばすぐに思い浮かぶのが、名古屋、トヨタ、ご当地グルメぐらいで、他の大都市県と比べると観光名所や特徴が少ないイメージがあります。しかし戦国時代から脈々と受け継がれる実力と底力は、日本を引っ張るほどのパワーを秘めた県なのです。その秘密を意外な事実を紐解きながら探ってまいりましょう。
東京を作ったのは愛知県人!?
1.江戸は三河の家臣が作った
三河国に足利尊氏が室町幕府を開き、続いて戦国時代には織田信長・豊臣秀吉・徳川家康といった三英傑の他、多くの武将を輩出しています。今の東京に江戸幕府を開いた家康だけでなく、共に江戸に移り住んだ尾張や三河の大名・家臣・庶民も多く、江戸っ子気質の原型となる同国出身の職人たちは、江戸時代の優れた建築や工芸などの文化構築に多く関わったと言われています。つまり、現在の東京の繁栄は愛知県人が大きく貢献していると言っても過言ではないのです。
2.三河武士に纏わる東京の地名
江戸文化に三河国が大いに関わっている一例として、家康と共に江戸入りした三河出身の武士に纏わる地名が東京に多く存在することが挙げられます。例えば内藤清成の領地があった場所が内藤新宿→新宿に、服部半蔵正成が将軍の安全を図った門が半蔵門に、青山忠信の屋敷があった場所が青山に、などなど三河武士所縁の地名が東京に数多く存在するのです。岡崎市(旧三河国)が「江戸のふるさと岡崎」をキャッチフレーズに挙げているのは、そうした歴史があるからです。
工業だけじゃない!有数の農業県だった
1.モノづくりの伝統
愛知県は中京工業地帯の中心として、世界のトヨタに代表されるように自動車関連の会社も多く、同県の「製造品出荷総額」は38年間連続して日本1位の座に君臨しています。日本の「モノづくり」文化を代表する県として、産業がこのように発展してきた理由はその歴史にあります。
安土桃山時代に織田信長が全国から集めた職人に、技術の優れた者には「天下一」の称号を与えるなど、職人のモチベーションを上げる施策がモノづくりの伝統を育んだようです。後に、豊臣秀吉や徳川家康もこの施策を引き継ぎ、三河国の職人たちが領主と共に江戸に移ると、将軍のお膝元で技術はさらに磨きがかかり、江戸の華やかな文化構築に大いに貢献していったのです。
2.モノづくり魂は農業にも
そんな工業王国のイメージの強い愛知県ですが、実は農業も盛んで農産物の産出額は全国7位と上位にランクインされているのはご存知でしたか?工業用地が多くて農業用地は少ないのでは?という疑問も浮かびますが、そこはモノづくりのプロ。ビニールハウスなどを使って狭い耕作面積を有効利用することで、農産物の生産性と採算性を高めているのです。
農業産出額の中でも園芸部門が58%を占め、野菜だけでなく、稲作、花の栽培、高級ブランド牛などの肉類、魚介類などの生産も日本トップクラスで、各種生産高トップ10に入る愛知の農産物は実に25品目にも上ります。愛知県で生産される日本一の農産物には、キャベツ、しそ、ふき、とうがん、いちじく、ぎんなん、きく、洋ラン類、観葉植物、ばら、うずら卵、あさり類などがあります。これが愛知の名産品だったの?と初めて知る品目もあるのではないでしょうか?
愛知県の日本一
工業・農業ともにこれだけの実績がありながら、産業・経済面では東京や大阪に、伝統・文化面では京都や奈良にどうしてもイメージの差をつけられる愛知は、「これぞどえりゃ~日本一!」の看板を無性に上げたがります。
例えば全国でお寺が最も多いのは、京都や奈良ではなく愛知県なのをご存知でしたか?京都にさえ1500社以上の差をつけてトップに君臨しているのです。これは徳川家が浄土宗を推奨し寺院を保護したためと言われています。天下の徳川家の長期繁栄を考えると寺社も増えていったのでしょうね。
愛知県が全国一位を占めるランキングの中から、面白い一位をご紹介しながら愛知の県民性を分析してみましょう。
1.百貨店・総合スーパー店舗数:157軒(2014年データ)
派手で見栄っ張り、買い物好きな愛知マダムの財布の紐は緩みやすいのでしょう。
2.25歳以上日帰り旅行人口:3,640,000人(2016年データ)
温泉・観光地・リゾート地などが身近で、ふらっと旅行できる贅沢な環境にあるのです。
3.外国語会話教室数:892軒(2014年データ)
工場で働く在留外国人も多い愛知では、コミュニケーションをとるために英語を習う会社員も多く、反対に日本語を学ぶ外国人労働者も多いのでしょう。
愛知県のご当地グルメ
愛知と言えば名古屋めしに代表されるご当地B級グルメの宝庫ですが、中にはミシュランガイドで高評価を得るご当地グルメも沢山あります。伝統的な人気料理から将来性のあるお薦めグルメを厳選してご紹介します。
(1)味噌カツ
地元名産の八丁味噌をベースにした甘辛いソースがかかったとんかつです。外国人観光客が急増する日本で、外国人が好きな日本のB級グルメベスト3に必ず入るのが「とんかつ」です。味噌でバージョンアップした味噌カツは、とんかつ慣れした外人をも必ずや虜にすることでしょう
(2)ひつまぶし
日本の鰻料理は日本独特の伝統技術を駆使した料理です。蒲焼き、薬味と混ぜご飯、お茶漬けの3種類の食べ方を同時に楽しめるひつまぶしは、「モノづくり」愛知ならではの工夫を凝らした逸品と言えるでしょう。
(3)台湾ラーメン
外国人が好きな日本のB級グルメのトップに君臨するほど、ラーメン人気は今や世界的です。にらやニンニクといった癖の強い野菜と豚ひき肉を合わせた、香辛料たっぷりの台湾ラーメンは、味も深くコクもあり、刺激を求める世界のラーメンファンを魅了するでしょう。
(4)天むす
発祥は三重県ですが暖簾分けして名古屋で開店し、一躍人気に火が付きました。おにぎりもまた今や世界中に専門店ができるほど世界を席巻していますが、天むすは一口サイズで食べやすく、おまけに外人の好きな「揚げ物」が入っているとなれば、「天むす」が世界のブームになるのも近いかもしれません。
まとめ
東の東京、西の大阪に挟まれ素通りされがちな愛知県ですが、ご当地グルメや可愛いカフェ文化が根付く名古屋以外にも、アートの島「佐久島」や、レゴランド、金シャチ横丁など、近年注目を浴びるホットな観光スポットが続々登場しています。毎年発表される「都道府県魅力度ランキング」では、2018年度は全国15位ながらも「魅力度の伸び率」ではベスト3にランクインされています。三英傑の魂が宿る愛知県には、無尽蔵の可能性を秘めたパワーがまだまだ眠っているのです。
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